「最近、パソコンの動作が重くなった気がする」
「ファイルのコピーに以前より時間がかかる」
「HDDから聞き慣れない音がする」
このような変化があると、HDDやSSDの故障が心配になりますよね。
HDDやSSDは、写真や動画、仕事のファイル、OSなどを保存している重要なパーツです。突然故障すれば、大切なデータにアクセスできなくなる可能性があります。
ただし、パソコンの動作が遅くなったからといって、ストレージの寿命が近いとは限りません。
そこで一度確認しておきたいのが、HDD・SSDの状態です。
Windowsでは「CrystalDiskInfo」というソフトを利用すると、ストレージが記録しているS.M.A.R.T.情報などを確認できます。
この記事では、CrystalDiskInfoを使ってHDD・SSDの状態を確認する方法と、表示された「正常」「注意」「異常」をどう判断すればいいのかを解説します。
また、異常が見つかった場合に、データを守るために何をすべきかも紹介します。
HDD・SSDの状態を確認するならCrystalDiskInfo
HDDやSSDの状態を確認する方法はいくつかありますが、Windowsユーザーなら「CrystalDiskInfo」が手軽です。
CrystalDiskInfoは、ストレージが持っているS.M.A.R.T.情報などを読み取り、健康状態や温度、電源投入回数、使用時間などを確認できるソフトです。
ストレージを複数搭載しているパソコンでも、ドライブを切り替えながら個別に状態を確認できます。
CrystalDiskInfoはどれをダウンロードすればいい?
CrystalDiskInfoには通常版のほか、インストール不要で使えるZIP版や、ARM64環境向けのA64版があります。
「結局、自分はどれを選べばいいの?」と迷う人も少なくありません。
Windowsの一般的なパソコンを使っているなら、基本的には通常版を選べば問題ありません。
ただし、ZIP版やA64版にもそれぞれ用途があります。
それぞれの違いや、自分のパソコンに合ったバージョンの選び方については、こちらの記事で詳しく解説しています。
→「CrystalDiskInfoはどれをダウンロードすればいい?通常版・ZIP版・A64版の違いを解説【初心者向け】」
CrystalDiskInfoをこれから初めて使う場合は、先にこちらを確認しておくと、どのファイルをダウンロードすればいいのか迷いません。
ここで注意したいのは、CrystalDiskInfoの「健康状態」がストレージの残り寿命を月単位・年単位で予測する機能ではないということです。
あくまで現在のストレージに問題が発生していないか、劣化や異常の兆候がないかを判断するための材料として利用しましょう。
CrystalDiskInfoでHDD・SSDをチェックする方法
CrystalDiskInfoを起動すると、パソコンに接続されているストレージの情報が表示されます。
HDDやSSDが複数ある場合は、画面上部などに表示されるドライブを切り替えることで、それぞれの状態を確認できます。
まず確認したいのが「健康状態」です。
基本的には次の3種類に分けて考えると分かりやすいでしょう。
| 表示 | 状態の目安 | 基本的な対応 |
|---|---|---|
| 正常 | 現時点で大きな問題が検出されていない | 定期的に状態を確認する |
| 注意 | S.M.A.R.T.情報から問題が検出されている | バックアップして交換を検討する |
| 異常 | 重大な問題が発生している可能性が高い | データ保護を最優先にする |
「正常」なら安心して使える?
「正常」と表示されているなら、少なくともCrystalDiskInfoが重大な問題を検出している状態ではありません。
しかし、正常表示だから故障しないという意味ではありません。
ストレージは、診断情報だけでは予測できない原因によって突然故障することがあります。
そのため、正常な状態でも重要なデータは別の場所にバックアップしておくことが大切です。
「正常だからバックアップは不要」と考えないようにしましょう。
「注意」が表示されたら?
「注意」が表示された場合は、まず重要なデータをバックアップしましょう。
CrystalDiskInfo公式でも、健康状態が「注意」の場合は故障リスクが高まっている状態として説明されています。
この時点でまだ普通に使えていたとしても、写真や動画、仕事のファイルなど、失いたくないデータを別のストレージやクラウドなどへ退避させておくことをおすすめします。
そのうえで、健康状態の原因となっているS.M.A.R.T.項目を確認し、ストレージの交換を検討します。
ただし、「注意になったら○日以内に壊れる」という意味ではありません。
状態によっては長く動作する場合もありますが、問題が検出されたストレージをそのまま使い続けるのはおすすめできません。
「異常」と表示された場合は?
「異常」と表示されている場合は、ストレージに重大な問題が発生している可能性があります。
この段階では、原因を詳しく調べることよりもデータを守ることを優先してください。
まだ正常にファイルを読み取れるのであれば、重要なデータを別のストレージなどへ退避させます。
すでに読み取りエラーや認識不良、頻繁なフリーズなどが発生している場合は、無理に操作を繰り返さず、重要なデータの保護を優先しましょう。
データが非常に重要で、自力でのコピーが難しい場合は、データ復旧サービスなど専門業者への相談も選択肢になります。
「注意」や「異常」は何を意味している?
CrystalDiskInfoは、ストレージ内部のS.M.A.R.T.情報などを利用して健康状態を判定しています。
たとえばHDDでは、不良セクタに関連する情報などが判定に影響することがあります。
そのため、「注意」と表示されたからといって、単純に「HDDの使用時間が長すぎる」という意味ではありません。
どの項目が原因で判定されているのかを確認することが重要です。
また、HDDとSSDではストレージの仕組みが異なるため、表示される情報や見るべき項目にも違いがあります。
特にSSDでは、メーカーやモデルによってS.M.A.R.T.項目の内容や表記が異なる場合があります。
読み書き速度が遅くなったら寿命?
パソコンの起動やアプリの立ち上がり、ファイルの読み書きが遅くなった場合、ストレージが原因の可能性はあります。
ただし、速度低下だけでHDDやSSDの寿命と判断することはできません。
たとえば、次のような原因でもパソコンの動作は遅くなります。
- ストレージの空き容量が少ない
- OSやアプリの処理負荷が高くなっている
- バックグラウンドで大量の処理が行われている
- HDDでファイルの断片化が進んでいる
- ストレージの温度が高くなっている
- ファイルシステムなどに問題が発生している
- メモリやCPUなど、ストレージ以外に原因がある
そのため、「最近遅くなった」という理由だけでストレージを交換するのではなく、まず状態を確認してみるとよいでしょう。
HDDで気をつけたい故障のサイン
HDDには、データを保存するディスクを回転させたり、データを読み書きしたりする機械的な部品があります。
そのため、これまで聞いたことのない異音が発生した場合は注意が必要です。
たとえば、
- ファイルを開くと頻繁に固まる
- ファイルのコピー中にエラーが発生する
- HDDが突然認識されなくなる
- パソコンが頻繁にフリーズする
- 今までとは明らかに違う音がする
といった症状がある場合は、データのバックアップを優先しましょう。
特に異音と読み取りエラーなどが同時に発生している場合は、ソフトウェアの診断結果だけで判断せず、早めに対策することが重要です。
SSDはHDDと同じ感覚で判断しない
SSDにはHDDのような回転するディスクやヘッドがありません。
そのため、HDDで見られるような機械的な異音をSSDの劣化判断に使うことはできません。
SSDの場合は、書き込み量や使用状況、メーカー・モデルによって異なるS.M.A.R.T.情報などを確認することになります。
ただし、SSDについても特定の数値だけを見て、
「この数字ならあと○年使える」
と判断することはできません。
SSDの寿命や状態を確認するときも、CrystalDiskInfoの健康状態だけではなく、実際の動作状況やエラーの有無などを合わせて判断することが大切です。
ストレージに異常が見つかったら何をする?
CrystalDiskInfoで「注意」や「異常」が表示された場合、次の順番で対応するとよいでしょう。
1. 重要なデータをバックアップする
最初にやるべきなのはデータの保護です。
写真や動画、仕事のファイルなど、失いたくないデータを別のストレージやクラウドなどへコピーします。
すでに読み取りエラーが出ている場合は、すべてのデータを一度に移そうとせず、特に重要なファイルを優先することも考えましょう。
2. 原因になっている項目を確認する
健康状態だけを見るのではなく、どのS.M.A.R.T.項目が判定に影響しているのかを確認します。
HDDとSSDでは表示される項目が異なる場合があるため、数値だけを見て一律に判断するのは避けましょう。
3. ストレージの交換を検討する
異常が確認されたストレージは、問題が解消したわけではありません。
重要なデータをバックアップしたうえで、新しいHDDやSSDへの交換を検討しましょう。
「まだ動いているから大丈夫」と考えて完全に故障するまで使い続けるより、余裕のある段階で交換したほうが安心です。
CrystalDiskInfoだけに頼らず、バックアップも忘れずに
CrystalDiskInfoは、HDD・SSDの状態を確認するうえで便利なツールです。
定期的にチェックしておけば、S.M.A.R.T.情報の変化などからストレージの異常に気づくきっかけにもなります。
ただし、CrystalDiskInfoが正常と判定したストレージでも、突然故障する可能性はあります。
そのため、ストレージの健康状態を確認することと、バックアップを取ることは別の対策として考えましょう。
「状態をチェックしているから大丈夫」ではなく、
状態を確認する+重要なデータをバックアップする
という2段構えにしておくと、万一の故障にも対応しやすくなります。
まとめ
HDDやSSDの劣化が気になる場合は、まずCrystalDiskInfoを使ってストレージの状態を確認してみましょう。
「正常」であれば現在のところ大きな問題が検出されていないと判断できます。
「注意」や「異常」が表示された場合は、まず重要なデータをバックアップし、原因となっているS.M.A.R.T.情報を確認したうえで、ストレージの交換を検討しましょう。
また、パソコンの動作が遅くなったからといって、必ずしもHDDやSSDが寿命を迎えたとは限りません。
反対に、CrystalDiskInfoが正常だからといって故障しないとも限りません。
ストレージの健康状態は「残り寿命を当てるための数字」ではなく、異常の兆候を早めに見つけて、バックアップや交換といった対策につなげるための情報です。
大切なデータを失ってから後悔しないように、普段からストレージの状態を確認し、重要なファイルは別の場所にも保存しておきましょう。


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