Excelでセルを編集しようとしたら、変更できなかった経験はありませんか?
シートに保護が設定されていると、ロックされたセルの編集などが制限されます。パスワードが分かっていれば、Excelの標準機能から簡単に保護を解除できます。
一方で、
- Excelシートの保護解除方法が分からない
- 複数のシートをまとめて解除したい
- シート保護のパスワードを忘れた
- パスワードが不明で解除できない
- シート保護なのかブック保護なのか分からない
というケースでは、状況に応じた対応が必要です。
この記事では、Excelシートの保護解除方法を、パスワードが分かる場合と分からない場合に分けて解説します。複数シートの一括解除や、Excel for the webでの扱いについても紹介します。
Excelの「シート保護」とは?
Excelのシート保護は、ワークシート内のセルやデータなどを誤って変更されないようにするための機能です。
たとえば、請求書や集計表で「ここは入力してよいが、数式が入っているセルは変更させたくない」という場合に利用できます。
Excelでは、セルの「ロック」と「シートの保護」を組み合わせて使います。
通常、ワークシートを保護するとロックされたセルは編集できなくなります。一方、あらかじめ特定のセルのロックを解除しておけば、シートを保護した状態でもそのセルだけ編集できるようにできます。
ここで重要なのは、セルのロックとシート保護は同じ機能ではないということです。
また、Excelには「シート保護」以外にも「ブック保護」や「ファイルのパスワード保護」があります。
シート保護
ワークシート内のセルや、シート上の一部の操作を制限します。
ブック保護
ワークシートの追加・削除・移動・非表示・名前変更など、ブックの構成を保護します。Microsoftも、ブックの保護はワークシートやExcelファイルそのもののパスワード保護とは別の機能だと説明しています。
ファイルのパスワード保護
Excelファイルを開いたり編集したりする際のアクセスを制限する機能です。ファイルレベルの保護であり、シート保護とは別に扱われます。
「シートの保護を解除したいのに解除できない」という場合は、まずどの種類の保護が設定されているのかを確認しましょう。
Excelシートの保護解除方法【パスワードが分かる場合】
パスワードが分かっているなら、Excelの標準機能からシート保護を解除できます。
[校閲]タブから解除する
デスクトップ版Excelでは、次の手順で解除できます。
- 保護を解除したいワークシートを開く
- **[校閲]**タブをクリックする
- **[シートの保護解除]**をクリックする
- パスワードを求められたら入力する
- **[OK]**をクリックする
これでシート保護が解除され、保護によって制限されていた操作ができるようになります。
Microsoftの公式手順でも、[ファイル]→[情報]→[保護]→[シートの保護解除]、または[校閲]タブから[シートの保護解除]を選択し、パスワードで保護されている場合はパスワードを入力する方法が案内されています。
保護されているか確認する方法
保護されているシートを選択し、[校閲]タブを確認してください。
シートが保護されている場合、[シートの保護]が**[シートの保護解除]**に変わります。
「セルが編集できないけれど、本当にシート保護なのか分からない」という場合は、ここを確認すると判断しやすくなります。
Excelシートの保護を一括解除する方法
複数のシートに保護が設定されている場合、1枚ずつ解除すると手間がかかります。
複数シートの保護パスワードが同じで、かつ自分が解除権限を持っている場合は、VBAを使ってまとめて解除できます。
VBAで複数シートを一括解除する
Excelの[開発]タブからVisual Basic Editorを開き、標準モジュールに次のコードを記述します。
Sub 全シートの保護を解除()
Dim ws As Worksheet
Dim password As String
Dim failedSheets As String
password = InputBox("シート保護のパスワードを入力してください")
If password = "" Then
MsgBox "処理を中止しました。"
Exit Sub
End If
For Each ws In ThisWorkbook.Worksheets
If ws.ProtectContents Then
On Error Resume Next
ws.Unprotect Password:=password
If Err.Number <> 0 Or ws.ProtectContents Then
failedSheets = failedSheets & vbCrLf & "・" & ws.Name
Err.Clear
End If
On Error GoTo 0
End If
Next ws
If failedSheets = "" Then
MsgBox "保護されているシートの解除が完了しました。"
Else
MsgBox "解除できなかったシートがあります。" & vbCrLf & _
failedSheets
End If
End Sub
このマクロは、ブック内のワークシートを順番に確認し、保護されているシートに対して入力したパスワードで解除を試みます。
解除できなかったシートがある場合は、そのシート名を表示します。
VBAの Worksheet.Unprotect メソッドでは、パスワードを指定してワークシートの保護を解除できます。
一括解除するときの注意点
この方法には条件があります。
すべてのシートで同じパスワードを使っている場合に適しています。
シートごとに異なるパスワードが設定されている場合、このマクロに1つのパスワードを入力するだけでは、すべてを解除できません。
また、マクロを実行する前に、元のExcelファイルをコピーしてバックアップしておくことをおすすめします。
特に業務で使用しているファイルでは、複数のシートをまとめて操作する前に、元ファイルを残しておくと安心です。
Excelシートの保護解除でパスワードが不明・忘れた場合
ここは注意が必要です。
シート保護のパスワードが分からない場合、Excelの標準機能からパスワードを表示したり、Microsoftに問い合わせて元のパスワードを復元してもらったりすることはできません。
Microsoftは、パスワードを忘れた、または紛失した場合、Microsoftがそれを取り戻すことはできないと案内しています。
そのため、パスワードが不明な場合は、次の方法を順番に確認してください。
1. ファイルの作成者や管理者に確認する
会社や組織で共有されているExcelファイルなら、作成者や管理者がパスワードを管理している可能性があります。
業務ファイルの場合は、まずファイルの管理者に確認するのが安全です。
2. 過去のバージョンを確認する
OneDriveやSharePoint、社内ファイルサーバーなどでファイルを管理している場合は、以前のバージョンが残っていないか確認しましょう。
保護される前のファイルが見つかれば、パスワードを解除する必要がなくなる場合があります。
3. バックアップや古いコピーを探す
メール添付ファイルや共有フォルダー、PC内のバックアップなどに、保護されていない古いファイルが残っている可能性もあります。
ファイル名だけでなく、更新日時や保存場所も確認してください。
パスワード解析ツールを使えば解除できる?
インターネット上には、Excelのパスワードを解析したり、ファイル内部を変更したりして保護を解除する方法が紹介されていることがあります。
しかし、これらはMicrosoftが提供する公式のパスワード復元方法ではありません。
また、他人が作成したファイルや会社の共有ファイルについて、管理者の許可なく保護を回避することは、情報管理上の問題になる可能性があります。
そのため、まずは作成者への確認、バックアップ、過去のバージョンの確認を優先しましょう。
Excelシートの保護を解除できないときの原因
パスワードを入力しても解除できない場合は、次の点を確認してください。
パスワードの入力ミス
英字の大文字・小文字、数字、記号などを確認してください。
入力したパスワードが正しいと思っていても、Caps Lockやキーボードの入力状態によって間違っている場合があります。
シート保護ではなくブック保護になっている
「セルを編集できない」のではなく、
- シートを追加できない
- シートを削除できない
- シートを移動できない
- シート名を変更できない
- 非表示のシートを表示できない
といった問題なら、ブックの構成が保護されている可能性があります。
ブック保護とワークシート保護は別の機能なので、シート保護を解除してもブックの構成に対する制限は解除されません。
ファイルを開く段階でパスワードを求められる
Excelファイルを開くときにパスワードを求められる場合は、シート保護とは別のファイルレベルの保護である可能性があります。
ファイルレベルのパスワード保護は、シート保護を解除しても解除されません。
Excel for the webでシート保護を解除する方法
Excelには、ブラウザー上で利用できるExcel for the webもあります。
Microsoftの現行サポート情報では、Excel for the webにもシート保護を管理する機能があり、保護をオフにしたり、現在の編集セッションだけ保護を一時停止したりできます。パスワードが設定されている場合は、保護を一時停止する際にパスワードの入力が必要です。
ただし、デスクトップ版Excelとは操作方法が異なります。
また、Excel for the webでは、パスワードで保護されたブックについて、パスワードの追加・変更・削除・回復などに制限があります。必要な操作によっては、デスクトップ版Excelで開く必要があります。
そのため、Web版で操作できない場合は、[Excelで開く]からデスクトップ版Excelで操作するのが確実です。
シート保護を解除すると「セルのロック」も解除される?
ここは混同しやすいポイントです。
Excelでは、「セルのロック」と「シートの保護」は別の仕組みです。
シートを保護すると、ロックされたセルの編集などが制限されます。
一方、シートの保護を解除すると、シート保護による制限がなくなるため、セルを編集できるようになります。
ただし、シート保護を解除したからといって、セルの[ロック]設定そのものが自動的に変更されるわけではありません。
必要に応じて、[セルの書式設定]→[保護]からセルのロック設定を確認できます。Microsoftも、セルのロック設定とワークシートの保護を別々の手順として説明しています。
Excelシートの保護を解除した後、再び保護する方法
編集が終わったら、必要に応じてシートを再度保護できます。
- 保護したいシートを開く
- **[校閲]**タブをクリック
- **[シートの保護]**をクリック
- 必要に応じてパスワードを設定する
- ユーザーに許可する操作を選択する
- **[OK]**をクリックする
Excelでは、シートを保護するときに、ユーザーに許可する操作を選択できます。
たとえば、並べ替えやオートフィルターなど、必要な操作だけを許可することが可能です。
Excelシートの保護解除に関するよくある質問
Excelシートの保護はパスワードなしで解除できますか?
パスワードを設定せずにシートを保護している場合は、[校閲]→[シートの保護解除]から解除できます。
パスワードが設定されている場合は、そのパスワードの入力が必要です。
Excelシートの保護解除を一括でできますか?
できます。
複数のシートに同じパスワードが設定されている場合は、VBAを利用して一括解除する方法があります。
ただし、シートごとにパスワードが異なる場合は、1つのパスワードだけではすべてのシートを解除できません。
Excelシートの保護解除パスワードを忘れました。どうすればいいですか?
まず、ファイルの作成者・管理者に確認してください。
あわせて、OneDriveやSharePointなどの過去のバージョン、バックアップ、古いファイルのコピーも確認しましょう。
Microsoftは、忘れたパスワードや紛失したパスワードを復元することはできないと案内しています。
シート保護とブック保護の違いは何ですか?
シート保護は、ワークシート内のセルなどに対する編集を制限する機能です。
ブック保護は、シートの追加・削除・移動・非表示・名前変更など、ブックの構成を保護する機能です。
Excelファイルを開くときにパスワードを求められます。シート保護を解除すれば開けますか?
いいえ。
ファイルを開く段階でパスワードを要求される場合は、ファイルレベルのパスワード保護が設定されている可能性があります。
これはシート保護とは別の機能なので、シート保護を解除してもファイルを開くためのパスワードは解除されません。
Excel for the webでもシート保護を解除できますか?
Excel for the webにもシート保護を管理する機能があります。
ただし、デスクトップ版Excelとは操作方法やパスワード関連の機能に違いがあります。操作できない場合は、[Excelで開く]からデスクトップ版Excelで操作してください。
まとめ|Excelシートの保護解除は「どの保護か」を確認するのがポイント
Excelシートの保護解除は、パスワードが分かっているかどうかで対応が変わります。
パスワードが分かっている場合は、[校閲]→[シートの保護解除]から解除できます。
複数のシートをまとめて解除したい場合は、同じパスワードが設定されているシートであれば、VBAによる一括解除が可能です。
一方、パスワードが不明・忘れた場合は、Excelの標準機能でパスワードを復元することはできません。まずはファイルの作成者や管理者への確認、バックアップや過去のバージョンの確認を行いましょう。
また、「シートの保護を解除したのに問題が解決しない」という場合は、ブック保護やファイルレベルのパスワード保護が設定されていないか確認してください。
Excelの保護機能はそれぞれ目的が異なります。
「セルを編集できない」のか、「シート自体を操作できない」のか、「ファイルを開けない」のかを切り分けることで、必要な解除方法を判断できます。

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